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小野万の塩辛   10.17

 我が家で朝の食卓には、いつも「小野万の塩辛」が
必須でした。
辛くなくやや甘めで、普通タイプと麹漬けタイプがあり
交互に買い、飽きませんでした。
それが大津波の後に、店から消えてしまいました。
気仙沼のメーカーでした。
行きつけのスーパーの魚売り場の兄ちゃんに、いつ入荷する?
と聞いたら、「工場が全滅だそうで、
再建は不可能の状態と聞いています」
(後でユーチューブを見たら、社長のお宅も津波で全滅なのを
知りました)

 以来、北海道などの塩辛を買っても塩ょっぱくて
全部食べきることなく、底の部分は捨てるばかりでした。

 今朝何気なく、いつもここにあの塩辛があったんだぁと
見るともなく見たら、再開のポップと共に山積み。
もう一生食べれないと諦めていたので、嬉しくて、
家に帰り、ラベルのフリーダイヤルに電話しました。
再開後の第1号の商品で、昨日が初出荷です、
その商品ですと、
電話の女性担当者の声も、弾んでいました。
頑張りましたね、嬉しいですと伝えましたら、
「お電話ありがとうございます、これからも
よろしく、お気づきの点などお知らせください」
口調から、工場の活気あふれる感じが手に取るように
分りました。
きっと全国から惜しむ声が届いたのでしょう。

 経営者としてどれほどの
苦悩と、そして決断の心中は如何ばかりだったかと…

  1つ398円の、庶民の味です。
古い米も、まだしばらくの分あるのですが、
新米を炊いて、塩辛を載せていただきました。

我が家も、一生食べ続けるから
頑張れ 小野万。
 

by ellwangen | 2011-10-17 20:30